懐かしい田舎・シポの風景【ミャンマー10】
電車を降りて村の中にそっと足を踏み入れる。
長く長く伸びた線路を、電車はさらに先へと進んでいった。
車はほとんど走っていない、静かな村。家の塀には洗濯物がたくさん干してある。家族が多いのかな。
ポイ捨てする習慣はここでも健在で、ゴミの匂いだけはどこに行っても好きにはなれない。
道端にゴミが溢れているのがあまりにありふれた光景なので、私はとうとうこっちが人の本性だということを認めることにした。遥か昔から続いてきた営みの中に、自然に帰っていかないゴミはなかったんだから、特に土があるところでは、食べられない部分をそのまま捨ててしまうことは、当然よりむしろ、肥料として推奨されることだったんだから、その本性が塗り替えられない限り、「ゴミはゴミ箱へ」がなかなかできないんだろう。
プラスチックの袋で世の中を便利にしたふりをして、結局はさらに仕事を増やす羽目になる。世の中そんなことばっかりだ。本性を変えないといけないくらい苦手なことに取り組む羽目になる。
でも、「便利なもの」を使うとなれば、使用方法は守らないといけない。
「ゴミはゴミ箱へ!」
日本の教育の最大の功績はこれなんじゃないかな!?と、本気で思う東南アジア街歩きだ。
・・・ゴミをきっちり集めたところで、処理施設が充実してないから、結局は山に不法投棄されることになるんだろうけど。ゴミ箱だけでは解決しない、根深い問題だ・・・。村々はまだ異臭から解放されない。
家は竹を編んだ模様が美しい。専門の壁職人がいるとのこと。夏用の家に竹ハウスは最高だろう!と思った。冬はゲル、夏は竹ハウスで完璧なんじゃないかな?
工事中の家。通り過ぎようとしたところ、違和感を感じて近寄ってみた。
足場が竹だ!
ただ竹を組んだだけ。普通の足場で見かけるような、通路みたいな部分は適当に板が置いてあるだけ。ものがないならないで何とでもなるものだなぁ。
Mr. Charles Hotelに荷物を降ろして、ホテル前のレストランでおすすめの地元料理を食べた。shen族の料理らしい。
野菜とチキンのカレーみたいな料理。少し辛いくらいでおいしかった。
村には尼になるための学校がある。小学生くらいの子供たちが通う、尼さんの学校にお邪魔した。
ピンクの制服に身を包んだ尼さんの卵たち。手話付きで歌を歌ってくれた。そのうちの一曲は、「ロンドン橋落ちた」のメロディーで、世界はつながってるんだなぁとなんだかしみじみ思った。