馬乳酒を飲んで死にかけた話【ファームステイ@モンゴル3】

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2018年10月4日

突然だが、私は日本でも海外でも、”郷に入りては郷に従え”のことわざに倣って、そこに住む人の生活をまるごと受け入れることを心掛けている。どんなゲテモノでも最低一度は食べてみるし、基本残さない。どれだけ寒くても現地の人が暖房は焚かない、というならとりあえず着込んで同じ気温の中にいる。我慢できなければ申し出るものの、極力相手に寄せて、最大限のリスペクトをもって、同じ生活を楽しみたいと思っている。



馬乳酒。

それは野菜のとれない乾燥地帯に暮らすモンゴル遊牧民にとって、最も重要な栄養補給源の一つであり、楽しみであり、客人への最大級のおもてなし飲料である。

モンゴルでは、どんぶりになみなみ注いで客人をもてなし、客人はそれを飲み干すのが礼儀だ。

馬乳酒
半分飲んだ後の馬乳酒



恐る恐る口をつける。

独特の乳臭さとすっぱさがむわっと広がる。そんなにおいしいものじゃないが、まずいわけでもない。

半分ほど飲んだころ、 喉の奥が痒くなりだした。

だが、冒頭のモットーに従って、無視して残りを一気に飲み干す。

これがまずかった。

体に徐々に異変が現れる。

喉の奥が痒みが痛みに代わりだし、しだいに気管支が詰まって、喘息の発作が出始めた。

やばい。アレルギーの症状だ。



こんな、わりとタフな旅をしているが、実は食物アレルギー、環境アレルギー、アトピー、喘息持ち。いつも気を付けているし、重症ではないので、普段はなんともないのだが、今回はやられた。人生で最悪の発作だ。

喘息は即、手持ちの吸入器を使用して沈める。

いつもはこれでアレルギー症状は終わるのだが、今回はまだ終わらない。

吐き気と下痢に襲われて、ゲルを飛び出したはいいが、トイレがない。普段吹きさらしの場所で用をたすらしい。恥もへったくれもないまま、モンゴル人の生活を習得した。

ゲルの写真
どこにもトイレがない



それから唇が腫れて、顔に広がりぱんぱんになって、体じゅうが赤くなり、かゆくてたまらなくなって、意識が朦朧としてきた。

英語を話せる人を呼んできてくれたが、声が出ない。街に戻って、病院に行くか?と聞いてくれているらしい。がたがた揺れる、あのオフロードを街まで3時間。耐えられる気がしない。まぁ、死にはしないだろうという謎の確信のもと、街には戻らないと断ったら、足が震えて寒気がしてきた。

肩を貸してもらって、ベッドまで行き、そこからしばらくは記憶がない。

こんこんと眠り、目が覚めたら、辺りは暗くなっていた。なんとか症状も収まってお腹がすいてきた。ちょうど

「フード、フード、イート」

と言われたので、うなずく。

するとまたしてもどんぶりに白い液体を注いでくれた。

「まって、これ・・・?」

すがるような眼で奥さんを見つめ、馬乳酒のタンクとどんぶりを交互に指さすと、首を横に振って、

「ティー、あー、、」

手で角をはやすジェスチャー。

牛!牛だ!牛のジェスチャーがこんなに素敵に見えたことはない。天使のわっかみたいだ。

飲んでみると、枯れ草っぽいにおいに、ほんのり塩味と牛乳の味。モンゴル式ミルクティーが空っぽの胃に染み渡る。・・・やっぱりお茶っていいなぁ!!

大丈夫だ。しょっぱな死にかけたけど、ここでも生活できる。

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