モンゴル遊牧民の素敵な慣習【ファームステイ@モンゴル23】

スポンサーリンク
馬と人

以前モンゴルの変わりゆく伝統についての記事を書いた。
【ファームステイ@モンゴル20】変わりゆくモンゴルの伝統

一方で変わらないものもある。

モンゴル遊牧民の間では、助け合うことに関する慣習が今も残っている。

モンゴルの遊牧民たちは、あたかもそこが自分の場所であるかのように、他人のゲルに入っていく。ちょっとあそこのゲルよるから、という農場主Sさんについて行ってびっくりした。

ノックしないし、声をかけることもしない。無言で扉を開け、中に入り、適当な場所に座る。唖然として扉をくぐったところで突っ立っていると、

「早くこっちに来て座れよ。」

と椅子をすすめられる。ゲルの主ではなく、一緒にきたSさんにだ。日本でやったら失礼もいい所だ。ところがゲルの主は慌てず、騒がず、表情一つ変えず淡々とおもてなし用のミルクティーと飴を両手にいっぱいくれる。

ちょっと意味が分からない。遠慮していると横でSさんがバリバリお菓子を食べだした。・・・歓迎されている?ほんとに?京都のぶぶ漬けみたいなことではなく?

「これおいしいぞ。」

と、またしてもSさんに、今度はお菓子を勧められ、飴でいっぱいの手の上にクッキーを置かれた。これでは、食べられないのだが・・・。とにかく遠慮する方が悪いみたいな空気だ。

食べろ食べろと次々何か出してもてなしてくれる、日本の田舎を思い出す。

ゲルの主も、「よく来たなぁ!」みたいな諸手を挙げた歓迎はせず、家族が家に帰ってきた時のように、ごく自然にしている。



遊牧民の生活では、このように互いの家を行き来するのは当たり前らしい。というより、遊牧民の家はすべて自分のような感覚なのか。

恋人でも家族でもない、突然やってくる誰かのための、お菓子の用意がある。あの、小さいゲルの中に。

これは遊牧民の生活スタイルに由来するものだ、と教えてもらった。

例えば、馬に乗って広い草原のどこかにいる自分の牛を探しまわったとしよう。時には一週間近く草原をさまようこともあるという。馬に乗っているわけだから、荷物は最低限、当然ゲルを担いでいくことはできない。そういう時は近くにあるゲルに留めてもらうのだそうだ。

持ちつ持たれつ、助け合わなければ、最悪野犬や狼に殺されてしまうのだというから、他人のゲルを訪ね、訪ねられることがごく当たり前の事、という感覚にも納得がいった。

広い大地を最小限の荷物で自由に移動できるシステム。それを可能にするのは、スマホアプリではなく、古くから脈々と受けるがれる親切。素敵だな、と思った。

このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
TOP

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

トラックバックURL:https://farmer-gw.com/mongolia/mongolia-23/trackback/