仏教寺院とモンゴルの宗教、歴史聞き語り【ファームステイ@モンゴル12】
2018年10月13日
途中で仏教寺院に立ち寄り、ガイドさんに話を聞いた。
モンゴルはチベット仏教、シャーマニズムを信仰している人が多い。イスラム教、キリスト教は少数派。
社会主義時代には仏教は迫害され、約三分の一の僧侶が殺害された。
悲惨な話だが、この大量虐殺にはいい面もあった。
当時僧侶はほぼ物乞い同然。女性、子供に養われて全く働かなかった。それでも周囲の仏教徒がすべて用立ててくれるから、貧しい人々に比べて豊かな暮らしをしていた。
そうなると当然、僧侶になる資格のある若い男性はみんな僧侶になる。それが進むと経済が発展しない。
僧侶が迫害され、寺が壊され、結果としてモンゴルの経済発展につながった、という面もあるらしい。ガイドさん個人の意見かもしれないが・・・。
どこの国でも白と黒だけでは語れない、歴史というものは複雑だ。
昨今は鉱物(金銀銅)の採掘が盛んらしい。
でも、すべて外資系。
「モンゴルには採掘の技術がないから」
とガイドさんは肩をすくめる。
政府は海外の会社を誘致して、税金を安くする代わりに賄賂をポケットへ。一昔前の首相はそのお金でアメリカに7つも豪邸を建てたらしい。最低・・・。
「モンゴルに鉱物資源があるとわかった時は、みんな大喜びしたんだ。うちもうちもって、こぞって採掘してもらおうとした。それが蓋を開けてみれば、いいことなんて一つもない。外国から巨大な機械と労働者をつれてやってきて、土地を荒らすだけ荒らしたら、技術もお金も俺たち国民には渡さず、さよならさ。今ではみんな、自分の土地で鉱物が見つからないように祈っているよ。」
人間が働けば働くほど、破壊されていくものがある。
採掘による自然破壊のみならず、遊牧民の生活もあと10年ほどすれば、近代化の波に襲われてできなくなるだろう、とのことだ。
物質的な豊かさを求めることに、ダメとはいえない。
でも、分厚い壁の中に美しい調度品をあつらえた立派な家の代わりに、生活のすべてに手が届く彼らの生活では、心を病むことはきっと少ない。
バランスのとれた道があればいいのになぁ。
寺院の跡はラクダに乗った。フランス人カップルは始終イチャイチャしていて、最初はいたたまれなかった私も慣れてスルースキルが上がってきた。
どぶの匂いの息を吐くラクダの背は、ふかふかしていて暖かかった。