馬の弔い【ファームステイ@ドイツ9】

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2019年3月25日

ドイツの厳しい寒さが緩んで、春が近づいてくる。久しぶりに晴れた空の下で、農場の大切な行事が行われた。

【ファームステイ@ドイツ2】でも少し出てきた、農場メインの農耕馬、ヴィーナスの弔い。

長い間、彼女は農場主の大切なパートナー だった。農場のすべてをヴィーナスとともに作り上げてきた。木材を運ぶなら1cm単位で、耕すときも思った通りに、完全に意思疎通ができていたという。

ヴィーナスの名前を出すたびに農相主の目には涙が浮かぶ。

馬の亡骸は、人間と同じようには火葬してやれない。捨てるに捨てられなくて、せめて最大限の敬意をこめて、最大限活用しようと、去年の10月に亡くなった彼女を解体して、肉は食用(悲しくて一口も食べられないけれど…)に、頭部と足は急遽買ってきた冷凍庫に、胴体は骨を雨ざらしにならない温室に保存してあった。

春が来る前に、どうにかしないといけない。次に進んでいかないといけない。けれど、毎晩夢に出てくる、死んだ姿を見るたびに目が腫れるような相手をどうにも”処理”してやれず、半年が経った。

そして今日。

ついに冷凍庫という仮のお墓から、ついにその頭部と胴体の骨を取り出してきて、土に埋めた。
農場主が泣く。他のみんなも泣く。私も。
脳裏には、今までさんざん聞かされてきたヴィーナスの武勇伝とともに、私が旅に出ている間に死んでしまった実家にいる犬の姿も浮かんできて、良く晴れた空の下、7人で立ち尽くしていた。

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